· 

後期授業 対面・メディアの併用に

 大阪大で10月1日から始まった後期授業では対面授業とメディア授業が混在する。授業に関する阪大独自の活動基準レベルを0.5から0.3に引き下げ、「メディア授業の積極的利用」とした。対面授業ではマスクの着用や建物に入る前に手指の消毒を求めるほか、人数が教室定員の3分の2以下になるようにし、基礎疾患を持つ人や妊娠している人、新型コロナウイルスに著しく不安を感じる人などの「要配慮者」への対応を前提に実施する。

 

 少人数授業の実習や演習では主に対面授業、多人数授業の講義などではメディア授業を行う。また、同一科目計15回の授業内で対面とメディアを使い分ける授業もあり、どの授業が対面授業かメディア授業かはシラバスに明記される。このことから同じ日に対面授業とメディア授業が混在する事態が予想されるが、各学部・学科が対面授業をできるだけ同じ日に集約することで対応する。またキャンパス内にインターネットが利用できるように「アクセスポイント」を増やした。

 

 阪大は前期に教員や学生に対してメディア授業についてのアンケートを数回実施した。その結果、メディア授業に満足している学生は不満だという学生より多かった。また8~9月のアンケートではメディア授業に不安を感じる教員の割合が5月と比べて減少したという。しかし不慣れなメディア授業においてコミュニケーション不足が発生したり、課題量が適切ではない場合があったことも認識しており、教員に配慮を求める。

 教育・学生支援部教育企画課によると、本年度の前期授業を終え、メディア授業の方が教育効果が高くなるもの、対面授業の方が教育効果を維持できるものが、ある程度区別できてきたという。カリキュラムの見直しやインターネット環境などのインフラ整備、ファカルティ・ディベロップメント(※)の推進などに取り組み、今年以降も対面・メディア授業の併用を続けていく見通しだ。

【田中夏生】

 

※ファカルティ・ディベロップメント(FD):教員が授業内容・方法を改善し向上させるための組織的な取組の総称。その意味するところは極めて広範にわたるが、具体的な例としては、教員相互の授業参観の実施、授業方法についての研究会の開催、新任教員のための研修会の開催などを挙げることができる。(文部科学省HPより抜粋)