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練習の成果 映像に収める 外語恒例の語劇

 大阪大外国語学部の学生が専攻の言語を使って演劇をする「語劇」を5〜6日、箕面キャンパスの研究講義棟A棟416教室で行った。フランス語やフィリピン語など14の専攻語が参加し、 各専攻で工夫を凝らした劇をカメラの前で披露した。新型コロナウイルス感染防止策として無観客で収録のみ行い、演者は全員マウスシールドを着用した。

 

 例年は観客を入れ「語劇祭」として開催されているが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大をうけて直前に急きょ予定を変更し、無観客で劇の収録のみ実施した。語劇祭は外国語学部の前身、大阪外国語大学時代から続く伝統ある行事。照明、音響なども学生が手がけ、ステージの脇にあるスクリーンには日本語字幕を投影する。2021年4月には箕面キャンパスの移転が予定されており、今回は現キャンパスで最後の語劇披露となった。

 

 ドイツ語専攻は「飛ぶ教室」を上演した。児童文学が原作で、ドイツの全寮制の学校で過ごす個性豊かな少年たちが悩みや教師とのふれあいなどを通して成長する物語だ。他の学校の生徒とのけんか、仲間とのすれ違いを経験しながらも、理解ある教師の導きによって少年たちは成長していく。ステージの前の空間を使うなど意表をついた演出もみられた。

 

 ほとんどの専攻では2年生が中心だが、ドイツ語専攻は2〜5年生の有志26人によって行われた。監督を務めた吉田健希さん(外・5年)は「練習ではビデオ会議システム『Zoom』を使うこともあった。皆集まってくれて感謝しかない」と話した。

 

 他にも、フランス語専攻は19世紀の小説が原作の「Les misérables」を30分の劇にまとめて披露した。

 

 実行委員会委員長の鈴木暖風さん(外・2年)はコロナ禍での語劇について「会議もリモートで行い、委員の顔もわからない状態。今後のつながりもなく終わっていくのかと思うと寂しい」と語った。

 収録された劇と別途撮影された5専攻の劇は、収録業者による編集の上、20年度中に学内向けに配信される予定。

 

【児玉七海】